皆さま、こんばんは。
毎日セルフクレンジングのコクブンノブエです。
本日もご訪問頂き、ありがとうございます!

久しぶりに本ネタです。

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宮下奈都さん「羊と鋼の森」。

2016年に本屋大賞を受賞、
2018年に映画化もされているので、
ご存知の方も多いのではないでしょうか。

ず~っと気になってはいたのですが、
やっと初めて読みました。

カタルシス効果、抜群ですね。
セルフクレンジングを感じました。

とても繊細な4人の調律師、
それぞれが依頼者の元へ調律に行き、
そこでまた繊細なピアノの主が居る。

聴覚がメインのお話しを、
言葉にして説明していく、

コレって本当はすごく難しいはずですが、

まるで自分が調律師になったような、
そしてピアノの主になったような、

全く違和感のない感覚で、

小説の世界に入り込んでしまいます。

羊=フェルト(ハンマーの先)
鋼=弦
森=ピアノ内部


もちろん、聴覚だけでなく、
調律師の指の触覚、
ピアノを弾く人の鍵盤の触覚、

そして、実はコミュニケーション力も欠かせない・・・

新米調律師が、
3人の先輩調律師の現場を見学し、
心情を交換していくことで学び、

依頼者からのリクエスト=「音」について、
自分の考えを深めていく。

****引用****

「こつこつ、どうすればいいんでしょう。
どうこつこつするのが正しいんでしょう」

「この仕事に、正しいかどうかという基準はありません。
正しいという言葉には気をつけたほうがいい」


八十八の鍵盤があり、
それぞれに一本から三本の弦が張られている。
鋼の弦はびんとまっすぐに伸び、
それを打つハンマーがまるでキタコブシの蕾のように揃って準備されているのを見るたびに、
背筋がすっと伸びた。調和のとれた森は美しい。

「なるべく具体的なものの名前を知っていて、
細部を思い浮かべることができるっていうのは、案外重要なことなんだ」

「言葉を信じちゃだめだっていうか、
いや、言葉を信じなきゃだめだっていうか」

「明るく静かに澄んで懐かしい文体、
少しは甘えているようでありながら、きびしく深いものを 湛えている文体、
夢のように美しいが現実のようにたしかな文体」

音楽を知らなくても惹かれてしまう。
聴いていないつもり、耳に入っていないつもりでも、
思わず顔を上げる。
和音のピアノはそういうピアノだ。


(解説より)

三人とも、おそろしく繊細で神経質で聡明だ。
その鋭すぎる感覚を、音を整えるという仕事に注いで、
人生のバランスをとっているように思える。

*************




実は最後の解説の、
「人生のバランスをとっているよう」
という表現も気に入りました。

自分の鋭い感覚を、
思う存分注ぐもの(仕事)がある、
 ↓
それで人生のバランスをとる。

素敵ぃ~。
って思いませんか?!

きっと本人たちは、
毎日どっと疲れるかもしれませんが^^;

自分の感覚がより鋭敏になっていることに、
満足できているんでしょうね。





では、また。



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